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DATE : 2026.09.27

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自力整体と、ヨガはどう違うのですか?

質問

自力整体の「踏みこみ」と、ヨガの「ドッグポーズ」はどう違うのですか?

自力整体の実技に「踏みこみ」があります。

形だけを見ると、ヨガの「ドッグポーズ(ダウンドッグ)」によく似ていますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

上の写真が自力整体の「踏みこみ」、下の写真がヨガの「ドッグポーズ」です。

矢上からのコメント

自力整体を写真だけで見た方から、「これはヨガではないのですか?」と言われることがあります。

確かに、一つひとつの形だけを切り取って見ると、ヨガに似ている実技もあります。

しかし、私が考える自力整体とヨガとでは、身体の動かし方や目的に大きな違いがあります。

この機会に、私がヨガを指導していた経験も踏まえて、その違いを整理しておきましょう。

1.「静止する」のか、「ゆさぶり続ける」のか

ヨガでは「ポーズ(アーサナ)」を一定時間保つことがあります。

それに対して自力整体では、一つの形を完成させて静止することを目的としていません。

その姿勢の中で身体をゆさぶり、振動させながら、筋肉の緊張をゆるめ、関節まわりを動かしていきます。

つまり、自力整体では**「形をつくること」よりも、「その形の中でどのような刺激を身体に与えるか」**を大切にしています。

2.「完成した形」よりも「必要な刺激」を大切にする

私がヨガを指導していた頃は、一つの完成されたポーズを目標に練習することを重視していました。

しかし、身体の柔軟性や関節の状態には大きな個人差があります。

完成形を目指すあまり、身体の硬い人が無理をすると、筋肉や関節に負担をかけてしまうことがあります。私は長年の指導経験の中で、そのような例も見てきました。

そこで自力整体では、完成形を目標にするのではなく、**「今の自分の身体に必要な刺激が入っているか」**を重視します。

鍼灸、指圧、按摩、導引などと同じように、身体の滞っているところに適切な刺激を与え、ゆるめ、めぐりを促していく。

そのため、同じ実技をしていても、人によって動く大きさや角度が違っていてよいのです。

3.呼吸を形にはめ込まない

ヨガには、ポーズと呼吸を組み合わせて行う方法があります。

私自身もヨガを指導していた頃には、「ポーズ・呼吸・意識」の三位一体を大切にしていました。

一方、自力整体では、「この動作では必ず吸う」「ここでは必ず吐く」というように、呼吸を型にはめることにはこだわりません。

身体がゆるむにつれて、自然に呼吸が深く、楽になっていくことを大切にしています。

4.身体が硬くてもできる

自力整体では、身体の柔軟性を競いません。

むしろ身体が硬い人ほど、わずかな動きでも刺激を感じることがあります。

大切なのは、痛みを我慢して無理に伸ばすことではありません。

関節まわりをゆさぶり、緊張をゆるめていくことで、結果として身体が少しずつ動きやすくなっていく。

そのため自力整体では、痛みをこらえて行うストレッチは勧めていません。

5.私がヨガの経験から自力整体をつくった理由

私は30代の頃、ヨガの指導をしていました。

その経験の中で、

「身体の硬い人や高齢者でも、無理なくできる方法はないだろうか」

「完成した形を目指すのではなく、その人自身の身体の状態に合わせられないだろうか」

「痛みや不調を抱えている人が、自分の身体の声を聞きながら整えていける方法をつくれないだろうか」

と考えるようになりました。

そこから、ヨガだけでなく、整体、鍼灸、指圧、按摩、導引などから学んだことも取り入れながら、自力整体をつくってきました。

ですから、写真ではヨガと似て見える実技があっても、**「何のためにその形をとり、その中で何をするのか」**という発想が違うのです。


では、「踏みこみ」と「ドッグポーズ」は何が違うのでしょうか

ここからは、自力整体の「踏みこみ」の狙いについて説明します。

踏みこみでは、左右の手足を同時に押しているのではありません。

たとえば、右足を踏みこむときには、左手で床を前方へ押す力を利用します。

つまり、

「左手と右足」
「右手と左足」

というように、身体を対角線につないで動かしていくのです。

実際にやってみると、左右で「やりやすい側」と「やりにくい側」があることに気づくでしょう。

たとえば、下の写真のように身体に左右差のある人の場合、左手で床を押しながら右足を踏みこむ動きはやりやすく、その反対はやりにくい、ということがあります。

この左右の感覚の違いに自分自身で気づくことが、とても大切なのです。

踏みこみを左右交互に行っていくと、最初に感じていた左右差が少しずつ変化していくことがあります。

また、ほかの自力整体の実技によって身体が整ってくると、踏みこみをしたときの左右差も小さくなってきます。

つまり踏みこみは、身体を整えるための実技であると同時に、「今、自分の身体にどのくらい左右差があるのか」を自分で確かめる実技でもあるのです。

お尻を左右にゆらして刺激を入れる

現在の踏みこみでは、片足を踏みこんだ状態で、お尻を左右にゆらすように伝えています。

一つの形でじっと静止するのではなく、その姿勢の中で小さくゆさぶりながら、臀部から脚の後面にかけて無理のない刺激を入れていきます。

5秒間行ったら反対側へ移り、左右交互に行います。

本来であれば、左右の感覚が近づいてくるまで繰り返したいところですが、授業では時間との兼ね合いもあり、左右2回程度を目安にしています。

その後、正座になって身体の感覚を確かめてみてください。

背すじが自然に伸び、「先ほどより座高が高くなったように感じる」「呼吸がしやすくなった」
「左右の肩や骨盤がそろったように感じる」
という変化があれば、身体が整う方向へ変化した一つの目安になります。

大切なのは、「正しい形ができたか」ではありません。

踏みこんだとき、右と左では何が違うのか。どこがつっぱるのか。どちらが動きやすいのか。
ゆさぶった後、その感覚がどう変わったのか。

それを自分の身体に尋ねながら行うのです。

これが、自力整体の「踏みこみ」です。

見た目はヨガのドッグポーズに似ていても、完成したポーズをつくることではなく、

対角線の動きとゆさぶりによって左右差を感じ取り、自分の身体を整えていくことを目的としている。

このような考え方から開発した実技である、と理解していただければと思います。

by 矢上 裕

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