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DATE : 2026.10.30

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1030-  読むことと書いて整理することと、        自力整体をすることの共通点 

1030-書いて整理することと、自力整体をすることの共通点 

 私は自分の考えや気持ち、判断や思想などを口で伝えるのは苦手です。

 特に議論や口喧嘩になると、全くしゃべることができません。

 友達や家族とおしゃべりする時でも、考えながらゆっくり話すので、話しをすぐに奪われてしまいます。

では、「何故、講演や指導などでスムーズに話ができるのか? 先生はユーモアを交えて面白く話すことができるのに・・・」 と 疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

 それは自分が話すことをいったん文章にして、それを見ながらお話をしているからです。

文章にすることは紙の上に書くことだけではありません。 頭の中の原稿用紙に書き込んでいく作業も、私にとって文章にすることと同じです。

 この文章で考えるという癖は、執筆してきた体験がそうさせたのだと思います。

この文章で考えるという作業は、人にものをわかりやすく、しかもミスなく、予定した時間にきっちりと終わる無駄のない講演のコツ、または自力整体指導のコツになるので伝えたいと思います。

 口で話すということは、特に考えずに出るおしゃべりなどは、自分一人の作業です。

しかし、文章を書くということは、書いている自分と、書いた文章を読む自分の二人で行う作業です。

決して独りよがりではなく、この文章読む人にわかりやすいだろうか? という聴衆の立場に立って考えるもう一人の存在があるのです。

つまり、おしゃべりは独りよがり(だからつい余計なことまでしゃべりやすく、後悔しやすい)、

書くことは二人の共同作業ということが言いたいのです。

 口下手だからといって、伝えることが下手だとはまた別物です。

 私には、おしゃべりが苦手な代わりに、本を読み、そこから学び、文章にして伝える力がありました。天が「口下手」の私に、「読み上手、書き上手」という長所を与えてくれたのだと思っています。

 私のいう「読み上手」とは、ただ活字を追うことではありません。書籍から知識や技術をくみ取り、自分のものにしていく力です。

 文章を読みながら頭の中に映像を描き、それを記憶し、整理し、必要なときに再生します。そして、自分の経験や研究と組み合わせ、新しい実技を作るときに生かしていきます。

 私にとって読書とは、そういう作業です。

 「本を読むことくらい、誰にでもできる」と思われるかもしれません。しかし、読んだ内容を深く理解し、自分の仕事に生かすには、訓練が必要です。私も、すべての読書が楽だったわけではありません。難しい内容と向き合い、繰り返し読みながら、少しずつ身につけてきました。

 鍼灸時代、ヨガ時代、整体時代、そして自力整体時代へと、私の学びは移り変わってきました。その中で、人から直接教わったこともありますが、多くの知識や技術を授けてくれた師は、書籍でした。

 本から学んだことを自分の体で確かめ、実技へと育て、さらに文章や研修を通して伝えていく。この積み重ねが、口下手な私を助けてくれました。

 これからも私は、自分に合った方法で研究を続け、自力整体を伝えていきたいと思っています。

文字を書くことで、頭の中の漠然とした考えが、目に見える形になるからだと考えられます。

主に、次のような働きがあります。

  1. 覚えておく負担が減ります
    頭の中だけで考えると、考えることと、忘れないように覚えておくことを同時にしています。紙に書けば、覚えておく役割を紙に任せられ、その分、考えを深めやすくなります。
  2. 考えのつながりが見えてきます
    言葉にしようとすると、「何を伝えたいのか」「なぜそう思うのか」を選び、順序をつけることになります。その過程で、考えが整理されます。
  3. 自分の言葉が、次の発想を呼びます
    書いた文章を読むと、「それなら、こういうことも言える」「ここは少し違う」と気づきます。書く自分と、読み返す自分との間で、対話が生まれるようなものです。

書くことは、考えた結果を記録するだけでなく、考えそのものを育てる行為なのですね。

 

 私がナビゲーターに研修後の報告書の提出を義務づけているのも、この「気づき、確かめる共同作業」を大切にしてほしいからです。

 報告書では、次の三つを振り返っていただきたいと思っています。

  1. 「実技中に、どのような感覚があったか」を 観察者の自分が文章に書く
  2. 実技を終えた後、身体にどのような変化があったかを観察者の自分が文章に書く
  3. 翌朝、目覚めたとき、前日の実技と睡眠によって、十分に休まり、元気が戻ったと感じられたかを観察者の自分が文章に書く

つまり、ナビの「観察者を育てる作業」をしているのです。

 報告書を書く機会がなければ、観察者を育てることができません。

観察者の自分がいないと、自力整体の変化を、振り返らないまま過ごしてしまいがちです。

 「この三つを確かめて、報告書に書こう」と思いながら、研修を受けてみてください。

ただ受講するだけの実行者の自分と一緒に、観察者としての自分が明らかに育ち、自分の身体に向ける意識が変わってくるはずです。

そして、感じたことを自分の言葉で書くことで、学びがより深く身につくのではないかと、私は考えています。 

 私自身も、書籍を読むときには、「この内容を、自力整体の指導にどう生かせるだろうか」「今度の研修の参考にできるだろうか」と、常に、学んだことを使い、伝える場面を思い描いています。

 その積み重ねによって、これまでに読んだ本の内容が私の血肉となり、さまざまな質問にも、自分の経験や知識を結びつけて答えられるようになりました。

 ナビゲーターの皆さんも、「もう年だから、今さら勉強しても遅い」と思わずに、「生徒の皆さんに、少しでもよい授業や感動を届けるために学ぼう」という気持ちで、書店に足を運んでみてください。

 そして、読んで感じたことや、身体で確かめたことを、自分の言葉で書いてみてください。

 読むこと、身体で確かめること、書くこと、そして伝えること。その繰り返しが、皆さん自身の学びと、自力整体の指導を育てていくのだと思います。

私は書籍を読み込むときに、この内容をいかに自力整体指導に活かせるか、今度の研修の参考にできるか」と常にアウトプットを念頭に置きながら読み込みます。

だから これまでに読んだ書籍群が私の血肉になり、 色々な質問が来てもその答えを即答できるようになりました。   ナビの皆さんも「もう年だから今更勉強しても遅い」と思わずに、少しでも生徒に良い授業、感動を届けるために勉強しよう」という思いを持って、書店に足を運んでください。

by 矢上 裕

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