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DATE : 2026.09.28

眼窩指圧は、なぜ自力整体の最初に行うのか

眼窩指圧は、なぜ自力整体の最初に行うのか

こうしてダイアリーで、さまざまな質問に答えるようになったのには理由があります。

きっかけは、9月に350名のナビゲーターから提出された「活動報告書」でした。

その近況報告の中に書かれていた質問や困りごとを拾い上げ、それに一つひとつ答えていこうと思ったのです。

これから自力整体を始めたい人、ナビゲーターを目指す人、ナビゲーターになって生徒から質問を受けるようになった人、そして、まだ自力整体をまったく知らない人にも、このダイアリーを読めば「自力整体とは何か」が少しずつわかる。そんな資料として書き残しておきたいと思っています。

私がこの世を去ったあとも、文章として残しておけば、いつか自力整体を学ぼうとする人の役に立つでしょう。いわば、未来の人たちに残す「自力整体の図書館」をつくっているような気持ちです。

以前は、ナビゲーターから個人的にメールで質問を受け、それに一つひとつ答えていました。

しかし、質問の数が非常に多くなったことに加え、せっかく時間をかけて答えても、その回答を読めるのは質問した一人だけです。

また、私自身、長時間のパソコン作業を続けた末に、くも膜下出血で倒れた経験もあります。

そこで現在は、個人的なメールによる質問への回答ではなく、2か月に一度送られてくるレポートに書かれた「質問」や「困りごと」の中から、皆さんにも役立ちそうなものを選び、このダイアリーを通じて回答するようにしています。

一人への回答を、みんなの学びにする。

そんなダイアリーにしたいと思っていますが、皆さんのお役に立っているでしょうか?

もう一つ、このダイアリーには大切な役割があります。

Zoom授業や西宮教室に参加されている初心者の中には、「ツボの場所がよくわからない」「この実技はどこを、どのように動かすのかわからない」という方もいるでしょう。

そうした方のために、写真やイラストを使いながら、実技の意味や方法を解説する資料としても活用していきたいと思っています。

長年、自力整体を続けている人にとっても、「なるほど、この実技はこういう意図でつくられたのか!」

という新しい気づきがあるかもしれません。

では、今日も参りましょう。今回は、**「眼窩指圧」**についてです。

質問

ナビゲーターの○○です。
(70歳、指導歴11年、現在の生徒数:2教室16名)

生徒から、

「授業で眼窩指圧をするのは、眼精疲労を解消するためだと思いますが、それ以外にも目的があるのでしょうか?」という質問がありました。よろしくお願いします。

矢上からのコメント

まず、質問されるナビゲーターの皆さんに、一つお願いがあります。

今回の質問者はそうではないと思いますが、以前、生徒から届いた質問をそのまま私に転送して、

「生徒からこのような質問が来ました。先生、回答をお願いします」という形で送ってくる方が少なからずいました。

私は、この「質問の転送」や「丸投げ」は、できればやめていただきたいと思っています。

ナビゲーターであれば、まず自分で調べ、自分なりの答えを考えてみてください。

たとえば眼精疲労や指圧について文献や資料を調べたうえで、

「私は生徒にこのように回答しようと思いますが、矢上先生、この理解でよいでしょうか?」

と質問してください。

その過程そのものが、ナビゲーターとしての大切な勉強になるからです。

では、眼窩指圧について説明しましょう。

まず、眼窩指圧の方法を確認しましょう

対面研修を受けた方には、私自身が受講生に眼窩指圧を行い、押す位置や方向、力加減を体感してもらうことがあります。

すると、

「自分がやっていた場所とは違っていました」
「こんな感覚なのですね」
「今まで押し方が弱かったようです」と驚かれることがあります。

そのあと、両脚を伸ばして前屈してもらうことがあります。

眼窩周辺への刺激の前後で、身体の緊張や前屈の感覚にどのような変化が現れるのかを見るためです。

ただし、眼球そのものを押してはいけません。目の周囲は非常にデリケートな場所ですので、強い痛みを我慢して押したり、自己流で眼窩の奥へ指を入れたりしないことが大切です。

眼窩指圧は何のために行うのか

私が自力整体で行っている眼窩指圧は、一般的な「ツボ押し」をそのまま取り入れたものではありません。

自力整体の実技として、目の周囲への刺激と全身の緊張との関係を長年観察しながら取り入れてきた方法です。

私が特に注目しているのは、目の疲れと、頭・首・背骨周辺の緊張とのつながりです。

目を酷使している人は、目の周囲だけでなく、額や頭部、首の後ろ、肩などにも緊張が現れていることがあります。

そこで自力整体では、眼窩周辺を刺激することによって、単に「目を楽にする」だけでなく、頭部から首、背中へと続く緊張をゆるめていくことを目的の一つとしています。

東洋医学的な見方をすれば、目の周辺から頭部、首、背中、腰、脚へと続く膀胱経という経絡との関連を考えることもできます。

下のイラストは、その膀胱経と、背骨の周囲にある筋肉群を示したものです。

なぜ背骨をゆるめる前に眼窩指圧をするのか

自力整体では、背骨周辺の筋肉の緊張をゆるめ、背骨が本来持っている動きを引き出していくことを大切にしています。

背骨の周囲には多くの筋肉があり、その深部には椎骨同士の動きに関わる小さな筋肉もあります。

これらが強く緊張したままでは、背骨を十分に動かすことが難しくなります。

だから私は、背骨を直接動かす実技に入る前に、まず眼窩周辺を刺激し、頭部や首を含めた身体全体の緊張をゆるめることを重視しているのです。

私自身の長年の施術・指導経験では、眼窩周辺への刺激によって、目の疲れだけでなく、頭部や首、背中、腰などの緊張が変化する例を数多く見てきました。

そのため、眼窩指圧を私は非常に重要な実技の一つとして位置づけています。

眼窩指圧は、いろいろな姿勢で行います

自力整体の実技を見ていると、眼窩指圧が一度だけではなく、さまざまな場面で登場することに気づくでしょう。

あぐらで行う眼窩指圧。


床に肘をついて行う眼窩指圧。これは頭の重みをツボ押しに利用できます。


仰向けで行う眼窩指圧。

なぜ何度も出てくるのでしょうか。

それは、「これから背骨周辺の筋肉をゆるめたい」という実技の前に、まず目・頭・首周辺の緊張をゆるめておきたいと考えているからです。

眼窩指圧は、単なる「目の疲れを取るための指圧」ではありません。

目から頭へ、頭から首へ、そして背骨周辺へ。

身体全体の緊張をゆるめ、これから行う自力整体の準備をする。

それが、私が眼窩指圧を実技の中で大切にしている理由なのです。

パソコン作業の途中でも是非 眼窩指圧をしてください。

眼窩指圧の後に、目を閉じた状態で手の平で眼球を奥へ押す、肘を机につけて胸郭を下げて猫背を強制する。この3つをセットでやってください。

by 矢上 裕

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