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DATE : 2026.09.30
矢上先生は、ヨガの指導者時代に、持病であった近視が改善されたそうですが、私もひどい近視で、できれば自力整体で改善したいと願っています。先生ご自身の近視改善の体験談を聞かせてください。
私のひどい近視が改善し、視力が2.0まで回復したのは27歳の頃です。ずいぶん昔のことですが、その後、大きく視力が低下することなく、73歳になった現在まで過ごしてきました。
ヨガに入門した当時、指導員になるための実技テストがありました。
ところが近視だった頃の私は、前屈のポーズがまるでできませんでした。
その後、熱心にヨガに取り組み、前屈が無理なくできるようになっていくのと同じ時期に、近視も改善していったと記憶しています。
前屈には、両足をそろえて行う前屈と、開脚して行う前屈がありますが、当時の私にはどちらも非常につらいものでした。
その頃の私は腰椎の前弯が少なく、骨盤も後傾した姿勢になっていました。また、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛もひどく、前屈すると坐骨神経に沿って強烈な痛みが走り、まるで焼けた火箸を当てられているような、耐え難い痛みでした。

当時の私の整体的肉体構造が下のイラストです。

その状態が大きく変化するきっかけとなったのが、当時行った断食でした。
私が所属していたヨガの組織では、お正月やゴールデンウイーク、お盆などの長期休暇を利用して合宿を行っていました。その中には、希望者が断食をしながらヨガを行うコースもありました。
私はヨガに入門して間もない頃、その合宿で断食を経験しました。
そのとき体重が約8キロ減りました。
そして、その頃から、それまであれほど苦痛だった前屈が無理なくできるようになり、それと同じ時期に視力にも大きな変化が現れたのです。
私自身にとっては、非常に印象深い体験でした。
ここからは、長年身体を観察してきた私なりの考えです。
断食によって消化器を休ませ、体重や腹部の状態が大きく変化したことが、腰や骨盤周囲の筋肉の緊張にも影響したのではないかと考えています。
特に私の場合、腰椎の前弯が少なく、骨盤が後傾し、腰から脚にかけて非常に強い緊張がありました。
ところが身体が変化していくにつれて腰部の緊張が和らぎ、腰椎の動きも楽になり、あれほど苦しんでいた坐骨神経痛も次第に消えていきました。
そして腰だけではありません。
それまで悩まされていた後頭部の頭痛も楽になり、後頭部から背中、腰へと続く脊柱起立筋全体の緊張も和らいでいきました。

私は、この「首から腰までが一つにつながって緩んでいった」という変化が、とても重要だったと考えています。
ここで一つ、解剖学的に正確にしておかなければならないことがあります。
視神経そのものが「頚椎の隙間から出ている」わけではありません。視神経は眼球の奥にある網膜から始まり、眼窩から頭蓋内へ入り、脳へとつながっています。したがって、「首のコリが視神経を直接圧迫して近視を起こしていた」と医学的に断定することはできません。また、一般的な近視は、眼球の前後の長さや角膜・水晶体などの屈折の状態によって、光の焦点が網膜より手前に結ばれることで起こります。
ですから、私自身の視力が改善した理由を、一つの原因だけで説明することはできません。
ただ、私自身の身体で起きたこととして、
「腰や背中、首の緊張が和らぎ、前屈ができるようになった時期と、視力が改善した時期が重なっていた」という事実は、今でもはっきり記憶しています。
私は、前屈を単に「手が床につくかどうか」という柔軟性のテストだとは考えていません。
首、背中、腰、骨盤、そして脚の後面まで、身体の後ろ側全体がどのようにつながり、どれくらい余分な緊張から解放されているかを見る、一つの目安だと考えています。
私の場合は、断食とヨガをきっかけとして身体全体が変化し、前屈ができるようになり、坐骨神経痛や後頭部痛が楽になり、そして同じ時期に視力も改善しました。
これはあくまで私自身の体験であり、
「断食や前屈をすれば近視が治る」
と皆さんに言っているわけではありません。
しかし、この経験から私は、目だけを目の問題として考えるのではなく、首、背骨、骨盤、呼吸、全身の緊張なども含めて、自分の身体全体を観察することの大切さを学びました。
自力整体でも、近視を「治そう」と目だけに働きかけるのではなく、まず首や肩、背中、腰、骨盤をゆるめ、全身が楽な状態になることを目指していく。
私は、そのような考え方で取り組むのがよいと思っています。下の写真は当時の私です。

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