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DATE : 2019.11.20

私の幸福

 秋の紅葉の公園を午後4時ごろから日の暮れるまで、
 読書をしながらぶらぶらと歩きまわった。

読んだ本は「白鳥春彦の日本の哲学者とお茶を飲む」。
鈴木大拙、三木清、西田幾太郎、田中正造、二宮尊徳、兼好法師、道元、世阿弥を登場させて、(死んでいるが、生きているとして)
著者がお茶を飲みながらインタビューするという本である。

 その中の三木清の言葉を紹介する。

「機嫌が良いこと、丁寧なこと、親切なこと、寛大なことなど
 幸福は常に外に現れる」
  この文章を読んで胸を打たれ、こう思った。

 幸福な人は何らかの香りを放つ。
 その香りとは、優しさ、穏やかさ、親切、寛大だと思う。
 その香りは周りの人が吸い込む。
 そして周りも幸福になる。健康になる。美しくなる。
  伝染するのだ。

  成功を幸福と勘違いする人がいる。それは全く別物。

 私は成功者になろうとは思わない。
 それは他者の評価が必要だもの。
 でも幸福だけは、他者の評価や承認を必要としない。
 だから幸福を目指す。
 そして幸福の香りを放ち、周りの人を幸福に、健康に、美しくしたい。

 幸福になるのに邪魔なものは 他との比較だ。
 過去や未来への後悔や不安だ。
 ただひたすらに、誠心誠意、一心不乱に
 今に生きることこそ、幸福への道。満足の道。
 幸福とは自己満足の別名なのである。

 秋の落ち葉を踏みながら哲学者と会話する本を読み、
 歩き疲れたら近くの銭湯で体を温め、
 温まった体で、銭湯の上の会場で自力整体をやる日々は、
 何事にも代えられない喜びである。
 ほぐれた後の、ウイスキーのお湯割りでのどをうるおす。

 そんな平凡な喜びの中で 私は生きている。

by 矢上 裕

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