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DATE : 2019.05.16

 常に白紙であり続けること

 治療師だった頃、意識していたことがある。
 それは何回も治療に来ている患者さんに対しても、過去の治療記録は忘れ、初めての人として接することだった。
 つまり先入観を排除して、患者さんに向かうということ。それは今の教室指導でも同じだ。

 私の好きな言葉は「白紙に戻す」だ。
 朝起きたら、白紙になる。
 その白紙に今日の出来事が描かれるのだが、明日になると白紙になる。その繰り返しが人生であるという生き方にあこがれている。

 要するに記憶にとらわれない生活だ。
 「前はこうだったから、次回もこうでないと」
というのは私の生き方にはない。
 
 人は記憶に頼り過去の経験から未来を予測して、危険のない道を歩む。
 しかしその生き方に、ワクワク、ドキドキはあるだろうか?
 「安全、安定、安心」だけの生き方でいいのか?

 昨日の続きのままに今日があるのをマンネリという。「安全、安定、安心」だ。
 でも、それを続けると現状維持だけではなく、「衰退滅亡」というゴールが待っている。

 常に過去の自分を否定し、それ以上を探求する。

 私は2007年に「自力整体の真髄」という本を書いた。54歳の時である。
 何という思い上がりか、うぬぼれか。
まだ真髄の入り口に立っただけの私が書いているそのうぬぼれが恥ずかしい。
 真髄は遠くの場所にあるのに・・・
 まだ誰も到達していないのに・・・

by 矢上 裕

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