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DATE : 2026.09.29

高齢者の食事と運動について

高齢者の食事と運動について

一般には、「高齢者こそ、しっかり栄養を摂りましょう」「タンパク質を摂って筋肉をつけましょう」といった話を、テレビや本などでよく耳にします。

しかし私は、「高齢者はタンパク質をしっかり摂って、歩いて筋肉を維持しましょう」という考え方に、全面的に賛成しているわけではありません。そして私自身も、そのような食生活や運動生活はしていません。

そう考える理由は、大きく二つあります。

一つ目は、高齢になると胃腸の働きが衰え、特に消化や排泄の力が弱くなってくる人もいるということです。

そのような身体に対して、「筋肉を維持するために、タンパク質を一日何グラム食べましょう」と、数字を基準にして食べることを勧めるのは、場合によっては内臓に負担をかけることにならないでしょうか。

私は、「筋肉のために何をどれだけ食べるか」だけでなく、「その食べ物を自分の胃腸が無理なく消化し、きちんと排泄できているか」という視点も大切だと考えています。

二つ目は、高齢者に勧められることの多い「歩く運動」についてです。

高齢になると、腰椎やその周辺にも加齢による変化が起こり、神経の通り道が狭くなる場合があります。また、骨盤の傾きや腰椎の動きが悪くなることで、腰や脚に負担を感じる人もいます。

そのため、脚の筋肉が衰えているからといって、単純に「歩いていないから筋肉が落ちた」とだけ考えるのではなく、腰や骨盤、神経、血流など、身体全体の状態を見る必要があると私は考えています。

ですから高齢者の場合、ただ歩いて鍛えるだけではなく、骨盤が後傾して固まることを防ぎ、腰まわりを柔軟に保ち、下肢を無理なく動かせる身体をつくっていくことも大切ではないでしょうか。

食事についても同じです。

たくさん食べることだけを考えるのではなく、胃腸に過度な負担をかけず、消化しやすく、排泄しやすい食事を考えることが大切です。

運動についても、ただ鍛えることだけを考えるのではなく、身体の緊張や神経への負担を減らし、動きやすい身体をつくることを優先する。

私は73歳になった現在、次第にそのように考えるようになりました。

私は一日一回の食事を26年間続けています

そんなことを考えながら、現在73歳の私は、一日一回を基本とする食生活を、もう26年間続けています。

固形物をしっかり食べるのは、基本的に昼の一回です。

五穀米や玄米のパックご飯に納豆、そしてその他のおかず。これが私の基本的な食事です。

では、朝と夜はどうしているのでしょうか。

高齢になると水分補給も大切になりますので、私は朝と夜に、わかめと春雨のスープを作っています。

夜のうちに昆布を水に漬けて冷蔵庫に入れておき、朝、その昆布だしの半分を使って乾燥わかめを戻し、スープを作ります。味つけは粉末のかつおだしを使い、そこに春雨を入れます。

私の場合、スープだけを飲むよりも、春雨にスープを吸わせて「食べる」ほうが、水分を摂りやすく感じます。

今日は麩を入れて、麩にスープを吸わせて食べてみましたが、これもなかなか良いものでした。

これは、高齢者の水分補給を考えるうえで、一つの工夫になるのではないかと思っています。

「水を飲む」から「水分を食べる」へ

高齢になると、若い頃ほど強い喉の渇きを感じにくくなることがあります。

「水分を摂らなければ」と頭では分かっていても、なかなか水が喉を通らないことがあります。

私自身がそうです。

そこで私は、水分をただ飲むのではなく、食事の中に含ませて摂る方法を試しています。

わかめや春雨の入ったスープを、よく噛みながら食べます。

いわば、**「飲む水分補給」ではなく「食べる水分補給」**です。

春雨そのものに特別な水分保持効果があると断定するつもりはありません。しかし、少なくとも私にとっては、ただ水を飲むよりも、スープとして食べるほうが無理なく水分を摂ることができます。

そんな実験を続けながら、現在は朝と夜を春雨スープにしています。

タンパク質はどうしているのでしょうか

こう書くと、

「矢上先生、タンパク質はどうしているのですか?」

と聞かれそうです。

私の場合は、主に納豆などの大豆食品を利用し、乾燥わかめなどの海藻も組み合わせています。

乾燥わかめにはタンパク質のほか、ミネラルや食物繊維なども含まれています。

ただし、実際に一度に食べる乾燥わかめの量はそれほど多くありませんので、これだけで必要なタンパク質が十分に摂れるという意味ではありません。

私は肉があまり好きではありませんので、「嫌いな肉を健康のために無理に食べる」のではなく、納豆をはじめ、自分の胃腸が受け入れやすい食品を組み合わせるようにしています。

大切なのは、世間の常識や数字だけを基準にして食べるのではなく、自分の胃腸と相談しながら食べることではないでしょうか。

「肉を食べる高齢者は元気」という話について

世間では、「肉をよく食べるお年寄りは元気で長生きだ」と言われることがあります。

確かに、十分なタンパク質やエネルギーを摂ることは、高齢期の筋肉や体力を維持するうえで大切です。

しかし一方で、

「肉を食べるから元気なのか、それとも、元気で胃腸も丈夫だから肉をしっかり食べられるのか」

という見方も必要ではないでしょうか。

私は、「何を何グラム食べなければならない」と数字だけで考えるよりも、その人の消化力や体調に合った食事をすることが大切だと思っています。

私自身について言えば、食べ過ぎず、胃腸に負担をかけない食生活のほうが身体は軽く、調子がよいと感じています。

これはあくまで、私自身の身体で長年試してきた結果です。

高齢者にとって筋肉は大切です。しかし、無理に歩く必要はありません

もちろん、高齢者にとって筋肉を保つことは大切です。

しかし、

「筋肉をつけなければならない」
「歩かなければ弱ってしまう」

という思いが強すぎて、痛みを我慢しながら歩き続けるのは考えものです。

高齢になると、膝や股関節などに変形や痛みを抱えている人もいます。そうした人が無理に歩行量を増やせば、かえって痛みが強くなることもあります。

ですから私は、「健康のためには、とにかく歩かなければならない」という強迫観念を持つ必要はないと思っています。

猫を見ていると面白いものです。

「健康のために一日一万歩歩かなければ」とウォーキングをしている猫はいません。

あれほど長い時間寝ているのに、いざというときには驚くほど素早く動きます。

もちろん、人間と猫をそのまま比較することはできません。しかし、この姿を見ていると、大切なのは単純に運動量を増やすことだけではなく、身体を十分に休ませながら、必要なときに筋肉や関節を無理なく使える状態にしておくことではないかと思うのです。

そこに、自力整体の役割があると私は考えています。

私自身は、歩く代わりに自転車を利用しています。そして、「筋肉を鍛える」ことを目的とした特別な運動はしていません。

73歳になって実感する「水分」の大切さ

私自身が高齢者になって、つくづく思うことがあります。

それは、水分を摂ることの大切さです。

私は真水をほとんど飲みません。

何か特別な信念があって飲まないわけではありません。単純に、水だけでは喉を通りにくいのです。

そこで夏前から利用しているのが、経口補水液の「OS-1」です。

最近では、自分が無理なく水分を摂る方法をいろいろ試しています。

朝、このダイアリーを書きながら水分を摂っていると、身体が潤い、頭も働き始めるような感覚があります。

ただし、経口補水液は本来、脱水時の水分・電解質補給を目的としたものです。塩分や糖分なども含まれていますので、健康な人が日常の飲料として長期間、大量に飲むことが適しているとは限りません。

私自身の体験としては、水分を意識して摂るようになってから、便通にも変化を感じています。

ただ、これは「OS-1に便秘を改善する作用がある」という意味ではありません。水分を以前より十分に摂るようになったことが影響している可能性もあります。

高齢者の便秘にはさまざまな原因がありますが、水分不足が関係している場合もあります。

だからこそ私は、「何を飲むか」だけではなく、

「自分が無理なく水分を摂り続けられる方法は何か」

を見つけることが大切だと思っています。

食事も運動も、「高齢者はこうしなければならない」という世間の常識だけに自分の身体を合わせるのではなく、今の自分の身体が何を求め、何を負担に感じているのかを聞きながら、自分に合った方法を探していくこと。

73歳になった今、私はそれが何より大切なのではないかと感じています。みそ汁も最高の栄養食です。

日本人に生まれて良かった。と 思います。

by 矢上 裕

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