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DATE : 2026.10.12

なぜ自力整体は90分で構成されているのか

なぜ自力整体は90分で構成されているのか

― 考案者が90分に込めた思い ―

自力整体は、東洋医学の按摩や鍼灸の技術を応用し、自分で自分の身体に90分間の施術を行う健康法です。

自力整体の実践方法には、大きく分けて二つあります。

一つは、自宅で自分の好きな時間に、一人で行う方法です。

もう一つは、教室に通い、専門の指導者(ナビゲーター)の誘導を受けながら行う方法です。Zoomを利用したオンライン授業も、こちらに含まれます。

考案者である私が理想としているのは、後者の**「専門家の誘導を受けながら、90分かけて自分で自分の身体を治療する」**という実践方法です。

では、なぜ90分という時間が必要なのでしょうか。

そして、なぜ私は指導者の誘導を受けることを勧めているのでしょうか。

その理由を七つに分けてお話しします。

1.自己流では効果が偏り、継続しにくいから

自分の好きな時間に、思いついたときだけ自力整体を行っていると、どうしても自分の好きな実技や、やりやすい動きばかりを選んでしまいがちです。

また、知らないうちに間違った方法で行ってしまうこともあります。

その結果、期待した効果が得られず、やがて実践しなくなってしまうことがあります。

指導者の誘導を受けることで、自分では選ばない実技にも取り組み、全身をバランスよく整えることができるのです。

2.健康のための時間を確保し、集中するため

忙しい現代人は、仕事や家事、さまざまな用事に追われ、自分の身体と向き合う時間を後回しにしがちです。

だからこそ、週に一度、あらかじめ90分という時間を確保することが大切なのです。

教室へ出向く、あるいは決まった時間にZoom授業に参加する。

このように、自力整体を生活の予定に組み込むことで、日常の雑事から離れ、自分の身体に集中することができます。

3.全身に蓄積した疲労を、時間をかけて解消するため

私たちの身体には、日々の生活の中で疲労、凝り、冷え、むくみなどが少しずつ蓄積していきます。

こうした不調に対しては、痛む場所だけをほぐすのではなく、全身の筋肉や関節をじっくりと緩め、身体全体のバランスを整えていくことが大切です。

仕事の合間に数分間だけ身体を動かすことにも意味はありますが、それだけでは十分に整えられない部分もあります。

90分という時間は、身体の一部分ではなく、全身を丁寧に手入れするために設けた時間なのです。

4.指導者や仲間との交流が、継続する力になるから

健康づくりで最も大切なことの一つは、継続することです。

一人ではなかなか続かないことも、指導者や仲間がいることで続けやすくなります。

身体の変化を報告したり、疑問を質問したり、仲間の体験談を聞いたりすることが、新たな意欲につながります。

自力整体の教室は、単に身体を動かす場所ではありません。

健康を目指す仲間と交流し、励まし合いながら成長していく場所でもあるのです。

5.自分自身と語り合う、瞑想の時間を持つため

私は、自力整体の90分を「自分自身との語らいの時間」であり、「動く瞑想の時間」でもあると考えています。

普段の私たちは、外から入ってくる情報や周囲の出来事に気を取られ、自分の身体の声を聴くことを忘れがちです。

しかし、自力整体を行っている間は、意識を外側ではなく、自分の内側へ向けます。

「今日はどこが硬いのだろう」

「なぜ、この部分が動きにくいのだろう」

「昨日よりも身体が軽くなっている」

このように、自分の身体と静かに対話する時間なのです。

週に一度でも、このような時間を持つ人と、日々の雑事に追われて自分を振り返る時間を持たない人とでは、心の安らぎや幸福感にも違いが生まれてくるのではないでしょうか。

6.自力整体には、治療としての順序があるから

自力整体の90分は、ただ思いつくままに身体を動かしているわけではありません。

私が長年の経験から組み立ててきた、一定の流れがあります。

それは、

① 緊張の解除

まず、硬くなった筋肉を緩め、身体の緊張を取り除きます。

② ゆがんだ骨格の調整

筋肉が緩んだ状態で、背骨や骨盤、関節の動きを整え、身体のバランスを回復させていきます。

③ 再発を防ぐための筋肉強化

最後に、整った姿勢を維持できるように、必要な筋肉を働かせ、身体を安定させていきます。

この三つの過程を順序よく進めることが、自力整体の基本です。

つまり、自力整体の90分は、専門の整体治療家から全身の施術を受けているような時間なのです。

ただし、施術をするのは治療家ではありません。

自分自身が治療家となり、自分の身体を整えていくのです。

私は皆さんに、週に一度、専門家の施術を受けに行くような気持ちで、自力整体の教室に通っていただきたいと考えています。

7.教室を健康教育の場にしたいから

私が目指している自力整体の教室は、身体をほぐすだけの場所ではありません。

健康に生きるためには、運動だけでなく、毎日の生活習慣が大切です。

何を、どのように食べるのか。

どのように眠り、疲労を回復させるのか。

排泄を整えるために、どのような生活を送るのか。

そして、ストレスや悩みに対して、どのような心の持ち方をすればよいのか。

こうした健康に生きるための知恵を、指導者から学び、日常生活の中で実践していく。

つまり、自力整体の教室そのものが、生涯にわたって健康を学ぶ教育の場であってほしいのです。


私が自力整体を考案した本当の理由

私が自力整体を考案したのは、単に身体の痛みや凝りを改善する方法を広めたかったからではありません。

忙しい現代人に、週に一度でも、

「自分を見つめ、自分の身体の声を聴く時間と場所」

を提供したかったからです。

そして、自力整体の指導者や仲間とともに、健康を土台とした生き方を身につけてほしいと願ってきました。

その思いから、約35年前に指導者の養成を始め、今日まで継続してきました。

現在では、400名を超える指導者が各地で教室を展開し、2か月に一度の研修を受けながら、自力整体を学び続けています。

私が書籍を出版してきたのも、単に本を読んで自力整体を覚えてもらうためだけではありません。

本を通して自力整体を知り、興味を持った人が、やがて近くの教室やオンライン授業に参加し、指導者の誘導を受けながら実践するようになってほしい。

そう願っているのです。

自力整体の90分は、単なる運動の時間ではありません。

身体の疲れを取り除き、姿勢を整え、心を静め、自分自身を大切にする時間です。

週に一度の90分を、自分の健康と人生のために使ってほしい。

それが、自力整体を考案した私の願いであり、90分という時間に込めた思いなのです。

矢上 裕

by 矢上 裕

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