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DATE : 2026.10.13

補助整体を家族に教えてもよいのでしょうか?

文章全体の流れを整理し、質問者の報告と質問、矢上先生の回答が自然につながるように校正しました。

特に、**「補助整体は簡単にできるものではない」「相手の身体を傷める危険性がある」「ナビゲーターも生徒同士に補助整体を行わせてはいけない」**という大切なメッセージが、読者に明確に伝わるようにしました。

体験談の内容や先生のお考えは、できるだけそのまま残しています。

10月13日 補助整体を家族に教えてもよいのでしょうか?

ナビゲーターからの報告と質問

矢上先生、報告と質問が一つずつあります。

【報告】

以前、「仰向けに寝て脚を曲げたり伸ばしたりすると、股関節からコキコキと音がする生徒」について質問した際、ご回答いただき、さらにホームページにも掲載してくださり、ありがとうございました。

その後、その生徒と話をしていると、「脚を伸ばすときに、股関節を少し開き気味にすると音がしない」とのことでした。

このことから、腸腰筋の緊張や股関節の動かし方が関係していたのではないかと感じました。

【質問】

先日から教室に通い始めた生徒さんから、「家族の身体もほぐしてあげたいのですが、何か方法はありますか?」と尋ねられました。

そこで私は、「自力整体には『補助整体』という、家族などに行ってあげる方法もありますよ」とお伝えしました。

私は教室で、今年のカレンダーに掲載されている補助整体について説明していますが、実際に「家族にしてあげたい」と希望された生徒さんは初めてです。

最近の研修で教えていただいた補助整体や、カレンダーに掲載されている内容を、その生徒さんにお伝えしてもよいのでしょうか?

それとも、矢上先生の著書『幸せ家族の自力整体&二人整体』にはDVDも付いていますので、そちらを購入していただき、その内容を説明した方がよいでしょうか?

ご指導よろしくお願いいたします。


矢上からのコメント

まず、先日から教室に通い始めた生徒さんということは、まだ自力整体そのものについても、十分に理解されていない方だと思います。

結論から申し上げますと、そのような方に補助整体を教えることは、お勧めできません。

補助整体は、自力整体に十分慣れたナビゲーターには紹介してきましたが、私は一般の方には積極的に教えていません。

なぜなら、力加減を間違えると、相手の身体を傷めてしまう危険性があるからです。

人には、相手の痛みを感じ取りながら、適切に力を加減できる人もいれば、相手の痛みがわからず、「強く押せば、それだけ効くだろう」と考えて、自分の好む強さでゴリゴリと押してしまう人もいます。

後者のような人と組んでしまうと、受ける側は強すぎる刺激によって、筋肉や関節を傷めてしまう可能性があります。

ですから、生徒さんから「家族に補助整体をしてあげたい」と相談されても、簡単に「できますよ」とは言わない方がよいのです。

実際に、これまでにも補助整体によって身体を傷めた方から、

「先生が大丈夫だと言われたのでやってみたのに、かえって身体を傷めてしまいました。責任を取ってください」

というようなトラブルがありました。

そのため、生徒さんには次のように伝えてください。

「補助整体は、まず自力整体を十分に習得し、身体の仕組みや力加減を理解してから学ぶものです。今の段階では、相手にどの程度の力を加えればよいのか、どのように刺激すればよいのかがわからないため、安易に行うと危険です」

ということです。

『幸せ家族の自力整体&二人整体』について

私が2005年ごろに執筆した『幸せ家族の自力整体&二人整体』は、現在は絶版となっており、新品での販売はされていないと思います。

付属のDVDでは、私自身が補助整体の見本を示しながら、やり方を説明しています。

ただし、DVDを見れば誰でも安全にできるというわけではありません。映像では、実際に相手が感じている痛みや、適切な力加減までは十分に伝わらないからです。

ここで皆さんに強くお伝えしておきたいことがあります。

私が何年もの年月をかけ、多くの患者さんの身体に直接触れながら研究し、開発してきた補助整体を、誰でも簡単にできる技術だと勘違いしないでいただきたいのです。

西宮研修で実際に起きた事故

以前、西宮で行っていたナビゲーター研修で、参加者同士にペアを組んでもらい、下の写真の補助整体を実践してもらったことがあります。

そのとき、あるナビゲーターが、相手の身体をゆっくり時間をかけて押すのではなく、突然、肘を使って強い力で押してしまったのです。

その結果、補助整体を受けたナビゲーターは腰を傷め、帰り道には歩けなくなるほどの痛みに襲われました。

その後も数日間、強い痛みが続き、私に相談がありました。

私は、強く押してしまったナビゲーターにも、その事実を伝えました。

すると、その方はその後、責任を感じてナビゲーターを辞めてしまいました。大事なナビゲーターを失ったのです。被害者にとっても、加害者にとっても、傷ついてしまったわけです。

この出来事から、私は大切なことを学びました。

たとえナビゲーターであっても、また、私が丁寧に誘導している補助整体であっても、実際に行う人の性格や気性によっては、相手の身体を傷めてしまうことがあるということです。

せっかちで強引な性格の人は、相手の身体の反応を十分に確かめず、急に強い力を加えてしまうことがあります。

もちろん、性格だけで技術の安全性が決まるわけではありません。しかし、補助整体には、相手の反応を確かめながら慎重に行う姿勢が欠かせないのです。

痛くても我慢してしまう人がいる

今回の事故がわかったのは、被害を受けたナビゲーターが、正直に私に報告してくれたからです。

しかし、私は、このようなケースがほかにもあるのではないかと考えています。

補助整体を受けて痛みを感じても、相手に気を使い、「痛い」と言えずに我慢してしまう人もいるでしょう。

また、あとから身体を傷めたことに気づいても、相手に伝えれば人間関係が悪くなるのではないかと心配し、黙っている人もいると思います。

さらに、私に報告することが、相手のことを告げ口するようで気が引けて、自分の胸の内にしまってしまう人もいるでしょう。

つまり、実際に起きている問題が、必ずしも指導者の耳に届くとは限らないのです。

私は、この事故をきっかけに、補助整体の研修を行わないことにしました。

また、現在は西宮でのリアル研修そのものも中断しています。

ナビゲーターの皆さんへのお願い

今回の質問をきっかけに、すべてのナビゲーターの皆さんに、改めてお願いしておきます。

教室で生徒同士にペアを組ませて、補助整体を行わせることは、やめてください。

たとえ善意からであっても、相手の身体をよくしてあげたいという気持ちだけでは、安全な補助整体はできません。

補助整体には、身体の構造についての知識、相手の反応を読み取る感覚、適切な力加減、そして何より、相手の身体を傷めないための慎重さが必要です。

自力整体の基本は、あくまでも自分の身体を、自分で感じ取りながら整えることです。

まずは、その基本を十分に身につけてもらうことを優先してください。

そして、家族の身体を楽にしてあげたいという生徒さんの優しい気持ちは大切にしながらも、安易に他人の身体に力を加えることの危険性を、きちんと伝えていただきたいと思います。

補助整体は、相手の身体をよくするための技術です。その技術によって、相手を傷めることがあってはならないのです。

by 矢上 裕

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