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DATE : 2026.10.12

四つん這い・肘付き背中ほぐしについて

1012 四つん這い・肘付き背中ほぐしについて

○○です。

最近の新しい自力整体で取り入れられた「四つん這い・肘付き背中ほぐし」について質問です。

この実技では、背中のどの部分を刺激すればよいのか、また、どこに効かせる意識で行えばよいのかが、よくわかりません。 教えていただけますか。

矢上からのコメント

わかりました。

この実技は、私が2か月前に開発した、胸椎を柔らかくし、背骨全体の動きをよくするための胸椎刺激法です。

なぜ私がこの実技を開発したのか、その理由から説明しましょう。

首や腰の痛みの原因は、背中の硬さにもある

首の痛みに悩んでいる人は、原因が首にあると思い、腰痛に悩んでいる人は、原因が腰にあると思いがちです。

しかし、私が長年の治療経験から注目してきたのは、首や腰の痛みと、胸椎の硬さとの関係です。

例えば、頭を前に倒して、お辞儀をする動作を考えてみましょう。

本来、背骨は頚椎・胸椎・腰椎が協力し合いながら動きます。

ところが、胸椎が硬くなって動きにくい人は、首だけを大きく曲げてしまい、頚椎に負担を集中させることがあります。

このような負担の積み重ねが、首の痛みにつながる場合があるのです。腰も同じです。

胸椎が十分に動かないと、その分を腰椎の動きで補おうとして、腰に負担が集中することがあります。

つまり、本来は背骨全体で分担するはずの動きを、首や腰だけが引き受けてしまっているのです。

私は、このような状態を「胸椎が協力していない状態」と考えています。

もちろん、頚椎ヘルニアや脊柱管狭窄症には、椎間板や骨、靱帯などの変化も関係します。

しかし、胸椎の硬さを改善し、背骨全体の動きをよくすることは首や腰への負担を減らすうえで大切だと考えています。

治療家時代に経験した不思議な出来事

私は治療家時代、首や腰の痛みを訴える患者さんに対して、痛い場所だけを治療するのではなく、まず背中を触り、硬くなっている部分を探してほぐしていました。

そして、背中を十分にほぐした後で、「さあ、痛かった首を動かしてごらん」と言って、首を動かしてもらうのです。

すると、「あれ? 痛くない!」「先生、痛かった首には全く触らなかったのに、どうして首の痛みが消えたのですか? 不思議ですね」

と驚かれることがありました。

腰痛の患者さんにも同じように、腰には直接触れず、背中をほぐすことで痛みが軽くなる経験を何度もしました。この治療家時代の経験を思い出し、自分で自分の胸椎をほぐせるように考案したのが、今回の「四つん這い・肘付き背中ほぐし」なのです。

背中が亀の甲羅のように硬くなっている人が多い

実際にこの実技を行ってみると、背中がまるで亀の甲羅のように硬くなっている人が少なくありません。

胸椎そのものが動きにくいため、「何をしているのかわからない」「どこに効かせればよいのかわからない」という声も聞かれます。

しかし、最初から胸椎をうまく動かせなくても構いません。

大切なのは、焦らず、丁寧に、何度も繰り返すことです。

例えば、

  • 手首をほぐしてから、四つん這い・肘付き背中ほぐしを行う。
  • 脇を伸ばしてから、もう一度この実技を行う。
  • 踏み込みの実技を行った後に、再び背中をほぐす。

このように、90分の授業の中で何度も繰り返してみてください。

最初は動かなかった背中が、少しずつ動きやすくなっていくことを実感できる人もいるでしょう。

そして授業が終わった後、不思議ですね。背中をほぐしていただけなのに、首が楽になりました」

「腰まで軽くなっています」

と喜ばれることがあります。

背骨全体で負担を分け合う身体をつくる

私がこの実技で目指しているのは、単に背中を柔らかくすることではありません。

首だけ、腰だけに負担が集中する身体から、背骨全体が協力して動ける身体へと変えていくことです。

胸椎が柔らかく動くようになると、日常生活で前かがみになったり、身体を反らしたり、振り向いたりするときにも、背骨全体を使いやすくなります。

その結果、一部分に負担が集中しにくくなり、疲れにくく、軽快に動ける身体づくりにつながると考えています。

私は、これこそが自力整体の目指す身体の使い方だと思っています。

実技のポイント

「四つん這い・肘付き背中ほぐし」では、肘を床につけた状態で、胸椎をゆっくり反らせたり、背中を丸く持ち上げたりします。

特に、左右の肩甲骨の間から、その少し下にかけての胸椎を動かす意識を持ってください。

背中を丸くするときには、背骨の一つひとつの間が広がり、背骨に沿った筋肉がゆっくり伸びていくような感覚を大切にしましょう。

ただし、無理に背中を丸めたり、強く反らせたりする必要はありません。

呼吸を止めず、気持ちよく動かせる範囲で行ってください。

また、肘を床につけたまま、下のイラストにある「四つん這い回し」のように、上半身をゆっくり回してみるのもよいでしょう。 ヒジ付き四つん這い回しです。

前後の動きだけでは刺激しにくい胸椎の周囲にも、さまざまな方向から動きを与えることができます。

背中がほぐれると、首も腰も楽になる。

これが、私が治療家時代から大切にしてきた考え方であり、今回の新しい実技を開発した理由なのです。

by 矢上 裕

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