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DATE : 2026.10.04
なぜ、年齢とともに身長が低くなるのでしょうか?
「年齢を重ねると、若いころより身長が低くなる」とよくいわれます。
その原因には、椎間板の変化、骨の変形、筋力の低下、そして姿勢の変化など、さまざまな要因が関係しています。
私は整体の立場から、特に「背骨と姿勢」に注目しています。
日々の疲労によって背骨の周囲の筋肉が硬くなると、背中が丸くなったり、腰を伸ばしにくくなったりします。さらに頭が前に出る「頭部前傾」の姿勢になると、首から背中、腰にかけての筋肉は、重い頭を支えるために常に緊張することになります。
自力整体によって身体の緊張が緩み、姿勢が整ってくると、実技の前よりも自然に背筋を伸ばして立ちやすくなることがあります。
受講生の中には、自力整体の前後で身長を測ると、実技後のほうが測定値が高くなった、と報告される方もいます。
私はこの変化を、「身体の緊張が緩み、本来の自然な姿勢を取り戻したことを感じ取る一つの目安」として捉えています。
ただし、身長の測定値が高くなったということだけで、「椎骨と椎骨の間が実際に広がった」「神経の圧迫が解消された」と判断することはできません。
自力整体で大切にしているのは、数字だけではなく、実技の後に「身体が軽くなった」「背筋が伸びた」「楽に立てるようになった」という本人の体感なのです。
椎間板と身長の関係
背骨を構成する椎骨と椎骨の間には、「椎間板」というクッションのような組織があります。
椎間板には水分が多く含まれており、背骨に加わる衝撃を和らげながら、身体を曲げたり伸ばしたりするときの動きを助けています。
人間の背骨には、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個がありますが、椎間板はすべての椎骨の間にあるわけではありません。第1頸椎と第2頸椎の間には椎間板がないため、一般的には、椎間板は頸部に6個、胸部に12個、腰部に5個の合計23個あります。

椎間板は一日の中でも状態が変化します。
朝は比較的水分を多く含んでいますが、日中、立ったり座ったりして重力がかかり続けることで少しずつ圧縮され、水分が外へ移動します。そのため、一般に朝より夕方のほうが身長がわずかに低くなります。
そして横になって休むと、椎間板は再び水分を取り込みます。
私は、自力整体で背骨をゆっくり動かし、周囲の筋肉の緊張を緩めることが、背骨や椎間板にとっても良い環境をつくるのではないか、と考えています。
ただし、「自力整体によって椎間板一つひとつが1ミリ膨らみ、その合計分だけ身長が伸びる」とまでは、現在のところ医学的に確認されたわけではありません。
大切なのは、椎間板だけを見るのではなく、背骨全体の動きや筋肉の緊張、そして姿勢の変化を合わせて考えることだと思います。

頭が前に出ると、なぜ身体は疲れるのか
ここで、姿勢と筋肉の関係を、身近な道具を使って説明してみましょう。
掃除用のモップを思い浮かべてください。
モップの棒の下端を手のひらで支え、布の付いた部分を上にして、棒を垂直に立ててみます。
まっすぐ垂直に立っていれば、比較的少ない力で支えることができます。
ところが、モップを少し前へ傾けてみるとどうでしょう。
モップが倒れないように支えるため、今度は棒の下端をしっかり握り、強い力を加えなければならなくなります。

人間の身体も、これとよく似ています。
モップの布の部分を「頭」、棒を「背骨」、棒の下端を支える手を「背骨や腰を支える筋肉」と考えてみてください。
頭が背骨の真上に乗っていれば、身体は比較的少ない筋力で頭を支えることができます。
ところが、年齢とともに背中が丸くなり、頭が前へ出てくると、重い頭が身体の中心から離れていきます。
すると、頭がさらに前へ倒れないように、首、背中、腰の筋肉は絶えず働かなければなりません。
その状態が長く続けば、筋肉は疲労して硬くなり、背骨を伸ばしにくい姿勢になっていきます。
私は、このような「頭部前傾 → 筋肉の緊張 → 背骨を伸ばしにくくなる」という連鎖も、年齢とともに身長が低くなっていくことに関係しているのではないか、と考えています。
したがって、自力整体では「身長を伸ばす」ことそのものを目的にするのではありません。
背骨の周囲の緊張を緩め、頭が背骨の上に自然に乗り、無理な力を使わなくても楽に立てる身体を取り戻していく。
その結果として、「背筋が伸びた」「以前より高く立てるようになった」と感じられることが、整体にとって大切な変化なのです。
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